韓国の絶対的DIVAチョンハ「Stay Tonight」
チョンハ(韓: 청하、1996年2月9日 - )は、韓国の歌手。MNHエンターテインメント所属。元I.O.Iメンバー。2017年6月7日にミニアルバム『Hands on Me』でソロデビュー[1]。
KPOPファン歴10年以上、生粋のSMオタである私。
オーディション番組がどうも苦手で、I.O.Iは通らなかったのだが、ある日チョンハの「Stay Tonight」パフォーマンスを観て衝撃を受けた。
この曲の特徴はなんといっても振り付け。Voguing, vogueと呼ばれるこのダンスは、60年代のアメリカのゲイカルチャーの中で発祥したという。Voguingという名称は雑誌Vogueからきており、雑誌のモデルがとるようなポーズ、手指の動きが非常に特徴的だ。
90年代にリリースされたマドンナの『Vogue』によりその知名度を増したVoguingは、今もLGBTQカルチャーの中で大きな意味を持つという。
自身の身体に必ずしも自信を持てる人が全てではなく、疎外感を感じがちな彼らにとって、ダンスは自分の身体を使い自己表現できる貴重なツールだ。
ある当事者は、Voguingを通じ自らを好きに表現でき、さらに周囲から注目を集めることで、独りだという感覚から逃れることができると語る。
このようにvoguingは歴史的に非常に重要な意味を持ち、それを自らの表現の一部に取り入れるためには多大な知識と尊敬が必要不可欠である。
その意味で、kpopで初めてVoguingの要素をとり入れたチョンハは大いに注目に値する。
MV内ではドラァグクイーンを連想させるメイク、ファッション、ハイヒールに身を包んだ男女が美しい群舞を披露している。チョンハはもちろん、ダンサー(チョンハは仲間を非常に大切にし、彼らを「バックダンサー」ということを嫌う)全員がこの曲の趣旨を完璧に理解し、表情、手指の先まで意識が行き届いていることがひしひしと感じられる。
一目で当該コミニュティへのリスペクトと楽曲への強いこだわりを見てとることができる。難易度の高いテーマを見事に消化した上で更にチョンハ自身の色も表現しており、KPOP史に残る傑作であると私は思う。
この曲でカムバックしなかったことが悔やまれる…。
この3か月後に「Play」でカムバすることになるのだが、Playでは打って変わって華やかなお祭りのようなステージを披露する。
要素を詰め込みすぎて下手すると消化不良になりそうな曲・振り付けだが、チョンハの圧倒的スキルで軽々とこなしてしまうあたり、本当に感嘆とする。
また、その後「Dream of You」でもチョンハ色を前面に押し出している。
サビ内前半ではMJオマージュの男性的な振り付け、後半ではマドンナのような女性的な踊りを披露し、性別の区別なく表現者として自分らしい表現を追い求める姿が見て取れる。
常に新たなイメージに挑戦し続けるチョンハ。
彼女の旅路はまだ始まったばかり。